借金は子供に残さない事

私の古い友人の話です、ご主人は東京で大手建築会社で設計の仕事をしており、彼女は大した不満もなく暮らしていましたが、ご主人の実家は大阪で商いをしており、実家に帰って事業を継ぐようにと父親に懇願されたそうです。

子供も二人おりましたし、ご主人の仕事も順調だったようですが、言われるままに実家に帰ることにしたのです。

実家では義父が盛大な歓迎パーティーを開いてくれたらしく、これからは実家で頑張ってやっていこうと二人で決意したのですね。

ところが、驚くことに、義父が懇願したにもかかわらず、実家の家業はとっくに破綻しており、おまけに借金があったようで、盛大なパーティは義母のカードを勝手に使い開いたものだったのです。

しばらくして義母は心労からか亡くなり、義父は施設に入ったそうです、ご主人は設計士という技能があったので大手企業から大きな仕事を受け、必死で働き○○御殿と呼ばれる豪邸まで建てました、勿論、彼女も必死で支えたようですが、事あるごとに義父の愚痴を聞かされました。

突然すり寄る者は親でも信用しない事

そこで、我が家も同じような話があります、私が結婚した時、義父はすでに亡くなったと聞いておりました、うすうす感じてはおりましたが実は別れていたのですね、義母が後に言うには、義父が愛人を作ったということで別れたと言っていました。

そして、ある日、義父から手紙が来たのです、経営していた会社を潰し、東京に戻ったというもので、義母が言う通り、とても横柄な人格が表れた文面でした。

私はかねがね離婚の原因は、義母がどんなに義父の悪口を言おうと義母にあると思っていましたが、何度か呼び出されて合う度に離婚の原因はどちらにもあり、「どっちもどっち」だと確信しました。

義母が亡くなり、主人はリストラにあい、それから、義母の家を売り、退職金が入った途端、義父は度々主人を呼びつけました。

つまり、東京で興した会社がまたしても借金まみれだったのです、それを隠して主人に会社を継げというのです、結局主人は、ほかの会社に就職して、私が義父の会社の代表取締役となりました。

会社の経営状況がわかるものを出してくださいとお願いするも出してもらえず、毎日のように急かされて、ついには引き継ぎをしてしまったのです。

引き継いだ途端、義父は連絡をとろうとしませんでした、何か月分の様々な未払いの督促状、数年分の税金の未払、銀行からの借り入れ、リース代などの支払いに義母の家を売ったお金と退職金は消えましたし、しばらくして義父も亡くなりました。

すべては自分の責任

私の友人は何人かは同情してくれましたが、3人の友人は同じことを言いました「このことはお父さんが悪いのでなく引き受けた自分の責任なんだから、いつまでも愚痴を言っていないで先に進みなさい」

何て冷たいの!って思いましたが、この3人の助言が、今の私の軸になりました、すべては人せいではなく、自分の選択で自分の責任なんだと、強くなれました。