老後の高学歴自慢はやめたほうがいい
私はある絵画グループに属していたことがありました、そのグループには日本全国に会員が数百人在籍しているまあまあ大きなグループでした、油絵、日本画、パステル画、水彩画とあり、号数も200号、300号と大作揃いで並んだ展覧会は圧巻でした。
私にその絵画グループに属するのを勧めてくれたのは、主催者の妹さんでした 妹さんは絵を描く人ではありませんでしたが、そのご主人は仕事をリタイアしてから油絵を描くようになったようです、主に20号、30号と小ぶりの油絵を描いていました。
只、正直なところ、私はそのご主人の絵に惹かれるものはなく あまり目が留まりません、小さな絵であっても大作に比べ惹かれる絵はたくさんあるものです、地方の名もなき絵描きさんの絵の素晴らしさからしたら、絵の大きさ、出来栄えは比べようのないものでした、いつまでも眺めていたいと思う絵がならんでいたのですから。
なぜ私が彼の絵にこだわるのかというと、有名な芸術雑誌に彼の作品が何ページにもわたり特集されたからです、コネなどあろうはずもなく、不思議で仕方ありません。
絵の話はここまでとして、彼を紹介されて、挨拶を一言交わしたところで、驚いたことに彼は突然「自分は○○大学と○○大学の二つ出たんですよ」とはじまり 「その時代に二つ大学出る奴なんていませんでしたよ、大学院にも行こうとも思ったんですけどね」と自慢げに話し「「車も何台も乗り換えましたし、いろんな国にも行きましたよ」そんな高学歴自慢の唐突な話で私が戸惑っていると、今度は周りの絵を批判し始めました、後から聞いた話では批評しまくって喧嘩にまでなったそうです。
実のところ、お金には困っており、奥さんに頼まれて、私も何度か用立てたこともありましたが、奥さんは心労がたたったのか60歳を超えた頃、亡くなりました、その後、そのご主人からも借金の申し込みがありました、1度しか会ったことのない私にです。
学歴があったばっかりでの不幸
学歴はあった方がいいかもしれませんが、あったばっかりに、謙虚さや人に対して思いやりも持たずプライドと自信は高いまま、老後を迎えてしまっては悲しい末路です。
田舎の知人の旦那様も田舎では唯一、有名大学を出ていました、田舎では希望する企業もなく転職を繰り返し、起業してもうまくいかなかったようです、ここも奥さんは苦労していました、その奥さんが言うには「うちのはね、学歴しか取り柄がないの、高学歴だけが自慢で生きてるの、それしかないの」と悲しそうでした。